室町時代末期~安土桃山時代、千利休は茶道の理念を確立、その後、歴代のお家元により新たな点前も考案されました。喫茶養生記はその時代をさらに遡ること鎌倉時代、栄西禅師が在宋中に見聞したり経験した茶の栽培法、飲み方、採取法、効能等を記した書物です。

原文抜粋
茶者養生之仙薬也。延齢之妙術也。山谷生之其地神霊也。人倫採之其人長命也。天竺唐土同貴重之。我朝日本亦嗜愛矣。古今奇特仙薬也。摘まざるべからざか。…其の一期を保つの源在于養生。其示養生之術。…心の臓を建立する方、茶を喫する是れ妙術なり。厥れ、心の臓弱きときは、則ち五臓皆病を生ず。

現代語訳(要約を含む)
お茶は養生の仙薬であり、寿命を延ばす妙術である。山里や谷間に茶の木が生えていれば、その地は神聖で霊験があり、人がそれを摘んで飲めば長命を得る。インドや中国では高く重んじられ、我が国でも愛用されてきた。このような縁あって、私たちはその恩恵を逃してはならない。特に「心臓」が弱くなると、五臓すべてに病が起こるが、茶を飲むことがその心臓を強くし、健康保持の妙術である。

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